コンセプトは正解でも結果は不正解なドラマ(2/5) | Deview-デビュー
2015年3月16日

 ドラマ『まっしろ』の舞台は最高級セレブ病院。政財界、芸能界、文化人らが高額医療費にも関わらず、要望にすべて応じる診療を求めてやってくる。主人公の有村朱里(堀北真希)は千葉の病院の老人病棟に務める看護師だったが、玉の輿狙いで転職してきた。

 キャッチフレーズは“白い大奥”。脚本の井上由美子氏がリメイク版を手掛けた医療ドラマの金字塔『白い巨塔』に、江戸城の女性のみの居所が舞台でたびたびドラマ・映画化された『大奥』。その二つの面白さが合わさるなら、大ヒットは確実だ。

 1話を観たら、病院は赤じゅうたんが敷かれてたり、まるで高級ホテル。患者はお客さま扱いで、食事その他にも様々なホスピタリティが提供される。そして堀北を始め、志田未来、高梨臨らの純白のナース姿がかわいい。美脚が売りの菜々緒はスカート丈も短くて。それもホスピタリティ? ちなみに、『まっしろ』は火曜22時からTBSで放送。21時からフジテレビで放送の『ゴーストライター』にも、菜々緒は編集者役で出ていて連チャン。どちらも出番はさほど多くないけど。

 『大奥』要素といえば、「ごきげんよう」で始まる看護師たちのミーティングがそれっぽい。師長の田野島心(木村多江)は仕事は完璧ながら厳しさに反発も強かったり、朱里の歓迎会で看護師同士の言い争いが始まり、朱里は「新人はお酌しなさい!」と命令されたり。看護師の階級分けもある。一方、入院中の脳外科医や作家らが訳ありなのは『白い巨塔』っぽい。なら“白い大奥”が面白いかといえば、とてつもなく退屈だった。

 看護師たちの女の園での争いは痴話ゲンカのレベル。朱里が患者の息子の弁護士を玉の輿のターゲットにしていたら、実は妻子持ちだったオチも平板。なぜ井上由美子氏の脚本でこんなことに? ひとえに“白い大奥”という看板だけが先走っていたのでは?(続く)


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