映画『さよなら歌舞伎町』に見た女優人生いろいろ(4/5) | Deview-デビュー
2015年3月11日

 芸能界の生存競争は厳しい。雑誌で自分がインタビューをやらせてもらったページは切り抜いてファイルしているが、ふと5年ぐらい前の分を見ると「このコは今どうしてるんだろう?」と思う人が半数以上だ。

 だが『さよなら歌舞伎町』では、一時は姿を見なくなった女優が頑張っていた。1人は樋井明日香。以前は安室奈美恵やSPEEDのヴィジョンファクトリーに所属し、HINOIチームという自らの名を冠したユニットで活動。かなりの美少女だった。今のヴィジョンでいえば、Fairiesの伊藤萌々香のような存在。

 自分が取材したのは、HINOIチームが当時ブレイク中の長州小力とのコラボで、パラパラナンバー「NIGHT OF FIRE」をリリースしたとき。もう10年前になる。この曲はオリコン18位になったが、その後は推されつつ伸び悩む。2009年11月のブログで、ヴィジョンを辞めてバイトしながら新しい事務所を探している、と書いていた。

 久しぶりに彼女を見たのは、昨年の深夜ドラマ『なぞの転校生』。不良女子高生役で、最初は美人だから印象に残ったが、見たことあるような、ないような。調べたら樋井明日香で「へーっ」と。3年以上、事務所に入らないまま活動していて、ようやくギフトというところに所属。23歳になっていた。

 『さよなら歌舞伎町』では、主人公のラブホ店長(染谷将太)の妹役。兄も一流ホテル務めと偽っていたが、彼女も内緒でAV女優をしていた。大地震で被災した東北の実家の経済事情もあって。撮影で兄のラブホテルを使い、思わぬ再会となり…。

 「(彼氏は)津波で死んじゃったけどね」などとドライに言う中で、無意識に心の闇と折り合いを付けてる感じが出ていた。とにもかくにも、大手事務所を離れて独力でよく頑張ってきたと思う。そして、もう1人が…。(続く)


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