2015年3月5日
高畑充希のことは何回か前に触れたが、13歳から舞台で磨き上げた演技力は抜群。内向的な役のイメージが強いが、『問題のあるレストラン』で演じる川奈藍里は表面的にはチャラいくらい明るく世渡り上手。実は恋愛依存症で男に暴力をふるわれた経験も。たま子のレストランのライバル店で働いていた。
二階堂ふみは映画『ヒミズ』でヴェネツィア国際映画祭の新人賞を受賞。こちらも演技派で屈折した心情の役が多い。今回は東大出身だが実務では使えず、就活中の新田結実役。レストランではゼネラルプロデューサーを自称し、原価率など数字には強い。
4話でこの実力派2人がやり合った。「男に遊ばれてるだけの人っているじゃないですか?」と皮肉る新田に、ケタケタ笑いながら「気持ち悪〜い」と彼女を合コンに誘う川奈。レストランに川奈が客として偵察に来ると、新田は「川奈さんは“女はバカなふりをするのがベスト”と実践してるから嫌いなんです」と言い、川奈は笑って「こっちに入りたいくせに」と受け流す。
平静さを装いながらチラチラ怒りを見せ、互いの急所を刺し合うやり取りにゾクゾクした。チャラい高畑も堅物の二階堂も女の本音がリアルすぎ。新田が合コンから一夜を共にして金まで貸した男に「同棲してる彼女がいるよ」と川奈が言うと、新田は感情を爆発させて運んできたケーキを彼女の顔に…。
女子力競争から降りて勉強ばかりしてきたのに、結局は男に遊ばれた新田。恋愛依存で女子力を上げてきた川奈も意中の男には振り向かれず、ストーカー男に言い寄られる。実は2人とも子供の頃のセーラームーンごっこで、余った緑(セーラージュピター)しかやれなかったという。
報われない女性同士が傷つけ合うのに胸が痛くなった。それだけ2人の演技に力があった証明。そして6話では、松岡茉優を含めた3人が公園でお茶するシーンが。気持ちが通じ合い、松岡が「生きていて良かった」とつぶやく。この回は視聴率が10%に上がった。女たちが団結して、いよいよリベンジが始まる。 にしてもリベンジものが多いのは、何か今の日本の空気を反映しているのだろうか?(終わり)
戻る