『問題のあるレストラン』若手女優競演の見応え(3/5) | Deview-デビュー
2015年3月3日

 『問題のあるレストラン』は公式HPで“女性応援コメディ”とされているが、コメディではないだろう、これ。店員たちが厨房で並んで、主題歌の「もんだいガール」(きゃりーぱみゅぱみゅ)に合わせて食器類をトントン鳴らしながら料理する場面がコメディミュージカルっぽかったが、逆に不自然で要らない気がした。

 ストーリー自体はむしろ重め。ずっと専業主婦で離婚調停中の鏡子(臼田あさ美)は「私自身が不良品」などと自虐しまくり、夫には炊事、掃除、洗濯に育児まで「ろくなもんじゃなかった」となじられまくる。それでも子供は自分で育てたいと譲らない。「あなたみたいな男の人になってほしくないからです!」と、最後にやっと言い放った。そんな“問題のある店員”たちのドラマになっている。

 毎回胸に来ることが多い。特に3話は涙ものだった。視聴率は8.1%と低かったけど、観てなかったらもったいない。ちょっとストーリーを紹介すると…。

 この回のメインは対人恐怖症のシェフ・千佳。演じているのは松岡茉優だ。『あまちゃん』でGMTのリーダーを演じて以来、ドラマ出演が続くが、本当にいい女優だと改めて思った。千佳は店長のたま子をクビにした会社の社長の娘。女グセの悪い父親を殺したいほど憎んでいる。父親が母親と別れて家を出てから彼女は引きこもりになり、中学にも行ってなかったらしい。

 だが久々に3人で食事して、母が父に言ったのは「引きこもっていたのは私です」と。千佳は精神を病んだ母が目を離して死なないようにと、7年間ずっと家にいたのだった。料理の腕も、痩せていく母親に何とか食べさせようとして磨かれた。なのに、母親も彼女を置いて家を出ていった。(続く)


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