『問題のあるレストラン』若手女優競演の見応え(1/5) | Deview-デビュー
2015年2月27日

 前回、生田斗真&小栗旬主演のドラマ『ウロボロス』のことを書かせてもらった。幼なじみの刑事とヤクザという異色のバディものだが、この2人が20年前に殺された児童養護施設の先生の仇を取ろうとする復讐ものでもある。今クールは他にも復讐ものがあり、その一つが『銭の戦争』だ。

 草なぎ剛の演じる主人公・白石富生はエリート証券マンだったが、借金まみれで自殺した父親の連帯保証人になっていたため、金も仕事も婚約者も失い、ホームレスに落ちた。だが、「金で失くしたものはすべて金で取り戻す!」と宣言。自らが金貸し業者となり、驚異的な数字の記憶力を武器にどん底から這い上がっていく。

 SMAPで連ドラ主演が最後に回ってきたのが草なぎだった。その初主演ドラマがマンガ原作の『いいひと。』。温厚でお人よしなキャラクターがピッタリと言われて。その後も『先生知らないの?』(個人的にとても好きなドラマです)や『僕の生きる道』『スタアの恋』など、人柄の良さがにじみ出る役が多い。

 『銭の戦争』では、自分がのし上がるためには非情な取り立ても辞さず、憎々しい表情をしたりもする。それでいて、ヤクザから巧妙に債権を回収して得た3000万から1200万を、小学校時代の恩師に借金返済用と渡したり。「自分が一番苦しかったとき、黙ってポケットに1万円を入れてくれたから」と。

 どんな手を使ってでも這い上がろうとする姿は勇気づけられるし、険しい顔をしていても、ふとやさしさが漏れるのは草なぎならではのバランス。一歩ずつ上がっていく展開は復讐ものの醍醐味で、次回が気になるドラマだ。

 広瀬すずの『学校のカイダン』も、生徒会長を押し付けられたヒロインが学校の理不尽と戦う意味では復讐もの。毎回仲間を増やし、カイダンを1コ1コ昇る構図は同じだ。もう1本は“復讐”というとちょっと違うタッチだが…。(続く)


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