『ウロボロス』主演・生田斗真と主題歌・嵐の関係(1/4) | Deview-デビュー
2015年2月23日

 一番好きな映画は何ですか? という話はインタビューでも日常会話でも、わりと出る。個人的な話で恐縮ですが、自分がそういうときに挙げるのは『ミッドナイト・ラン』という88年公開の作品。

 元警察官の孤独な賞金稼ぎ(ロバート・デニーロ)が、マフィアの金を横領して慈善事業に寄付した心優しい会計士(チャールズ・グローディン)を公判日までに連れ戻す仕事を請け負う。対立関係にある2人だが、マフィアとFBIの双方に追われながらアメリカ横断の逃避行をするうちに、共感が芽生えて…。

 怒涛の逃走劇の果てのラストが秀逸。会計士のマデューカスを期限の日にロスに連れてきた賞金稼ぎのウォルシュだが、依頼主に電話して「彼を逃がすからサヨナラを言え!」と告げ、2人は「来世で会おう」と夜の駅で別れる。マデューカスは隠し持っていた逃走資金を「プレゼントだ」とウォルシュに渡して。

 ウォルシュは一度だけ振り返るが、マデューカスの姿はない。タクシーをつかまえ、もらった大枚から1000ドル札をかざして「釣りはあるか?」と運転手に聞くが「バカか? どっか行け!」とあしらわれ、「歩くしかないな」とロスの夜の人混みに紛れていく。

 二度と会うことのない2人が少し切ないが、旅の果てに新たな明日へ。ロードムービーにバディものという、自分のツボな二つの要素が入っていたのが良かった。バディものとは、対照的な2人のキャラクターが主人公の映画やドラマ。『明日に向かって撃て』『テルマ&ルイーズ』『メン・イン・ブラック』などいろいろある。

 日本では10ぶりに映画で復活する『あぶない刑事』や現代の定番『相棒』など刑事ものが多い。今も『ウロボロス』が放送中だが、このドラマは他のバディものとはひと味違う。(続く)


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