2015年2月13日
同じ能年玲奈主演でも、『ホットロード』は大手・松竹の“夏の1本”で、全国302スクリーンで公開。製作委員会には日本テレビと系列局も名を連ね、主題歌「OH MY LITTLE GIRL」(尾崎豊)が流れるCMもよく目にした。『海月姫』のほうは中堅のアスミックエース配給で全国216スクリーン。CMはあまり見なかった。同時期に公開されてターゲットのカブる『アオハライド』は最大手・東宝の配給で、CMもガンガン流していた。
何より『ホットロード』には原作世代や女子中高生も詰めかけた。相手役の登坂広臣のファンも多かった様子。EXILE TRIBEでも女性人気が高い三代目J Soul Brothersのメインヴォーカル。彼の俳優デビュー作という側面は、能年の話題の裏で実はかなり大きかった。女優の名前1本で観客を呼ぶことは、今の映画界では難しい。当代きっての人気女優・綾瀬はるかでも、主演映画は当たってないし。『海月姫』の苦戦を能年玲奈1人に背負わせるのは酷というものだ。
もちろん『海月姫』に収穫もあった。能年は今回も宣伝のため、数々のバラエティに出演。トークは相変わらず小声でポツポツだが、『いきなり!黄金伝説。』の「芸能人サバイバル大賞」に、映画で共演した篠原ともえとのコンビで参加。離島で2泊3日のサバイバル生活に挑み、優勝した。
宣伝の域を越えていたが、能年は『あまちゃん』以来の素潜りで巨大シャコ貝を「獲ったどー!」などとノリノリ。潜水用の全身タイツで銛を持っておどけたりもしていた。トークは弾まないが、おかしいことをやりたい人なのだろう。『海月姫』の取材でも「コメディにたくさん出たい」と話していた。『あまちゃん』でも笑わせる場面は多かったし、コメディエンヌぶりは『海月姫』でも発揮していて。あれだけかわいくて笑わせられる女優は貴重だ。
あと、勝手に並べていただけだが、本田翼との共演もぜひ見たい。タイプが正反対の恋のライバル役とか? 弾けっぷりの良い恋愛映画になること間違いなし。(終わり)
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