本田翼と能年玲奈の主演映画の明暗(4/5) | Deview-デビュー
2015年2月12日

 昨年12月27日に公開された能年玲奈の主演映画第2弾『海月姫』が苦戦している。前述の通り公開週の興収ランキングは9位で、かろうじてTOP10に入った状態。土・日2日間での動員は4万2332人(興収5692万円)だった。

 などと数字を出してもピンと来ないかもしれないが、前作『ホットロード』は昨年8月16日に公開され、同じ土・日2日間の動員は28万4367人(3億8924万2000円)。『海月姫』の約7倍に当たる。ランキングも2位。その後も好調を続け、最終的に25.2億円の興収に。予想を越えるヒットとなった。

 『海月姫』も『ぴあ』の初日満足度ランキングで1位など、評判は悪くはない。能年はイラストレーター志望のクラゲオタクという役。男子禁制のボロアパートで他のジャンルのオタク女子たちとゆるく暮らしている。そんな日常に女装の美男子と童貞エリートの兄弟が現れて…というドタバタコメディだ。

 能年自身がインドアで絵を描いたり洋服を作る趣味もあり、オタク役はハマりそうと言われていた。実際、熱帯魚店で「(クラゲの)クララが死んじゃう!」と店員と目を合わせずゾンビのように押し入ったり、笑えるシーンは多かった。かつ、アパート取り壊しの危機を阻止しようと、オタク女子たちが奮闘する展開には感動もあって。肩の力を抜いて楽しめる良作に仕上がっていた。

 それでも『ホットロード』と大差がついたのはなぜか? 『海月姫』は年も押し詰まった12月27日の公開で、話題が埋もれてしまった感もある。『あまちゃん』から10ヵ月ほど空いていた『ホットロード』公開時には、能年ファンが待ちに待っていたのもヒットの一因。だが、こちらも“能年の新作”だけで推していたわけでもなかった。(続く)


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