本田翼と能年玲奈の主演映画の明暗(3/5) | Deview-デビュー
2015年2月10日

 本田翼が主演した『アオハライド』は胸がキュンとなる青春映画だった。オッサンが胸キュンでもないだろうが、そういう映画だったのだ。原作は人気少女マンガで、何より本田がキラキラしていた。22歳での女子高生役ながら、恋に友情に真っ直ぐ突っ込んでいく感じが、まさにアオハル(青春)。

 インタビューで本人は「青春とは疾走感」と話していたが、文字通り走るシーンも多い。撮影でローファーを3足潰し、道具係を慌てさせたそうだ。ちなみに、彼女は取材中も常に笑顔。サクサクと質問に答えてくる。

 ただ、「言葉で理解するタイプではなくて」と言い、演技論的な話題には深入りしてこない感じもした。三木孝浩監督も彼女を「考えてから動くより、動いてから考えるようなイメージ」と評していて。

 三木監督は『ソラニン』『僕等がいた』など青春映画の名手だが、実は能年玲奈の『ホットロード』も三木作品。脚本も同じ吉田智子氏。『ホットロード』も『アオハライド』もヒットしたのは、三木監督が能年、本田それぞれの良さを引き出した功績もある。笑わない能年と笑顔いっぱいの本田と。

 本田は大のマンガ好きで有名で、『アオハライド』のインタビューで“最近お気に入りのマンガ”についても聞いてみた。彼女が挙げたのは『かくかくしかじか』。東村アキコの自伝的作品だ。そして東村といえば、能年が主演した『海月姫』の原作者でもあって。本田は『海月姫』も読んだに違いない。その話も聞いておけば良かった。

 ともあれ、映画『海月姫』は興収的に苦戦を強いられた。公開1・2週目が9位。3週目にはベスト10から消えた。『アオハライド』は1ヵ月を過ぎても、まだ入っていたが。能年的には『あまちゃん』『ホットロード』に続くヒットとはならず。もう彼女のインパクトは消えてしまったのか?(続く)


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