高畑充希の売れ方が若手っぽくない理由(5/5) | Deview-デビュー
2015年2月5日

 オーディションに落ち続けていた高畑充希は、『山口百恵トリビュートミュージカル』でいきなり主役に選ばれた。このときのオーディションは合宿を含め5次審査まで。本人は「自己PRの瞬発力がなくて落ちてきたけど、時間をかけて、じっくり私を知ってもらえたのが良かったかも」と振り返っている。

 「時間をかけて、じっくり」は、デビュー後の足跡とも重なる。いわゆるアイドル売りをされず、若手の登竜門だった『3年B組金八先生』に生徒役で出演してからも、ベースは舞台のまま。本人の希望もあって。同年代のかわいい女優が現れたり消えたりする中、着実にキャリアを重ねた。

 映画『書道ガールズ!!』、ドラマ『Q10』など映像にも徐々に進出。演技力が評価を広める。ちなみに彼女は前田敦子と仲良しだが、きっかけは『Q10』での共演。同じく共演した柄本時生、池松壮亮と4人で“ブス会”なる集まりを開き、誕生会をしていると、前田が『A-Studio』で話していた。演技派揃いの顔ぶれ。仕事も一緒にしてほしい。

 そして『ごちそうさん』を経た高畑は、出演作の途切れない売れっ子となった。その売れ方は同年代の女優たちより、小日向文世、佐々木蔵之介、阿部サダヲといった劇団出身の俳優に近い。年齢は遥かに若いが、13歳から舞台に立ってきただけに、彼らのような芝居の練度が感じられて。今も舞台『いやおうなしに』に出演中だ。

 『ごちそうさん』では喫茶店の街頭宣伝の場面で歌った劇中歌「焼氷有りマスの唄」も評判になった。歌唱力と美声。脚本の森下佳子氏が彼女のミュージカルを観て、「ドラマでもあの歌声を」と入れたものだ。  歌に関しても高畑はすでに8年前、“みづき”名義でデビューしている。コブクロの小渕健太郎がプロデュースを買って出て。『ごちそうさん』に乗じて6年ぶりのアルバム(ベスト盤)が出たりしたが、歌手活動も本格的に再開するなら楽しみは増える。本人は相当忙しくなるだろうけど。(終わり)


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