2015年1月21日
AKB48のドキュメンタリー映画で、ライブのリハーサルの緩んだ空気に、高橋みなみが「みんな腐ってるわ。寝たいなら家に帰れ!」と一喝する光景があった。インタビューで「間違ってようが何だろうが、自分から提示することは学びました。引っ張る立場にいると、ブレていたら誰も付いてこない。正解でも不正解でも『ひとまずこれで行くよ!』と言い続けます」と話していたこともある。
メンバーを引っ張る。高橋は実にリーダーらしいリーダーだった。だが、他のアイドルグループのリーダーを取材すると、そういうタイプは少数派。「自分の意見を言いながら周りの意見も聞くので、“先頭を切って”ということはないです。そのうちフンワリまとまる感じ」(Berryz工房・清水佐紀)といった調整型が多い。
もちろん総勢300人近い48グループの総監督がいちいちメンバーと話し合っていたら、コトは進まないが、AKB48結成時からの1期メンバーの高橋だから牽引型でやれた部分もある。後継を誰に託すか考えたとき、自分と同じレベルで引っ張れる人材はいない。それなら、先輩も後輩も気配りでまとめるタイプのほうがうまくいく…と、横山由依を指名することになったのでは。
旧チームAから現在のチームKと、キャプテンを務めた実績もある。そして、横山は努力家エピソードに事欠かない。候補生時代はバイトして交通費を作り京都から東京まで夜行バスで通っていたとか、ダンス経験がなくレッスン30分前に来て自主練をしていたとか。ユーキャンで調剤事務管理士の資格も取ったし。
篠田麻里子も横山を「高橋みなみの次に尊敬する」と話していた。背中を見せるだけで後輩には手本となり、先輩は自然にサポートする。それが横山のリーダー像。そして、もう一つ、横山が次期総監督に指名された理由がある。彼女には少しネガティブな話だが。(続く)
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