美少女だった宮沢りえが40代で手にしたもの(3/5) | Deview-デビュー
2015年1月13日

 宮沢りえのキャリアを追っていくと、90年代のアイドル時代には『いつも誰かに恋してるッ!』『いつか誰かと朝帰りッ!』といったトレンディドラマに主演している。

 『朝帰りッ!』では主題歌も自らの「Game」という曲で、初出場した紅白歌合戦でも歌った。倉庫の屋上でバスタブに浸かりながら歌い、その映像は何かで観た記憶がある。紅白初の中継出演だったそうだ。そんなことが許されるほどの人気だったのだろう。

 30歳になった2002年公開の映画『たそがれ清兵衛』で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞、2004年の『父と暮らせば』でブルーリボン賞の主演女優賞を獲っている。この頃にはすっかり実力派になっていたようだ。

 だが、2006年から2010年まで、ドラマにまったく出演してない。映画では毎年1本ペースで主演作があったが、それも2007年の『オリヲン座からの招待状』以来、途絶えていた。2009年に一般人男性との結婚と出産も報じられつつ。

 宮沢りえの名前が久々にクローズアップされたのは、2013年のこと。舞台『おのれナポレオン』で、メインキャストの天海祐希が心筋梗塞で降板した代役を依頼され、わずか2日の稽古で台詞の多い難役を完璧に演じきった…とのニュース。普通は1ヵ月以上の稽古を重ねる舞台を2日でこなす凄さは、素人としても理解できる。

 自分もこの話を聞き、「どんなに忙しくても依頼された仕事は引き受けよう」と思ったクチだが、なぜ天海の代役が宮沢だったのか。主演の野田秀樹が独断でオファーしたという。野田といえば劇作家、演出家としても名高い大御所だが、宮沢はテレビや映画への出演を抑えていた30代に、野田が手掛ける舞台にたびたび出ていた。(続く)


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