モーニング娘。’14を卒業した道重さゆみの12年(5/5) | Deview-デビュー
2015年1月7日

「さゆみのファンは変わり者の集まりだなーと思ってました」。道重さゆみは卒業ライブの最後にそんな話をした。「歌やダンスのうまいメンバーや、もっと魅力的な芸能人はいっぱいいるのに。私は大して何もできなくて、口だけは一人前。顔はかわいい方だと思うけど、そういうことも自分から言っちゃうし。こんなアイドル、普通は応援したくないでしょ?」。

 そんなファンが雨の日も大雪でも台風でも会いにきてくれた。全力で応援してくれて、勇気や自信や安心感をくれた。そして、愛をくれた。「さゆみのことを見つけてくれて、出会ってくれてありがとう!」。

 「見つけてくれて」というのは、見守り型のアイドルファンには最高にうれしいひと言だろう。とはいえ、歌やダンスはヘタでも、とにかくかわいいタイプのアイドルを見つけるのは、それほど特別なことではない。ヴィジュアルが良ければ2年は持つ。

 だが道重はアイドルを12年続けて、最後はリーダーとしてモーニング娘。の再生までやってのけた。卒業ライブには、乃木坂46の高山一実が生放送終わりから終盤に観客として駆けつけたり、他のグループにも彼女の崇拝者は多い。どこを魅力と取ったかは人それぞれだが、道重がかわいいだけのアイドルでは終わらなかった証明だ。

 芸能界に入りたかったのでなく、ただモーニング娘。になりかったという道重は、そのモーニング娘。を卒業して無期限の休養に入った。卒業ライブ翌日の最後のブログには、「まだ夢の中にいるような不思議な感覚です。むしろ今が現実で、実際はモーニング娘。として活動していた12年間が夢みたいな出来事でした」と綴っていた。

 ソロ歌手や女優をやるイメージはない。一部には“このまま引退するのでは”との憶測もある。もちろんファンはまた会いたいはずだが、個人的にはこのまま伝説になるのもいい気がする。かわいかった記憶だけを残して。(終わり)


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