『ごめんね青春!』で訴えかけられたもの(5/5) | Deview-デビュー
2014年12月25日

 文化祭といえば青春の一大イベント。個人的には思い出が限定的だ。参加はした。バンドをやっていたので。でも、部活があって勉強があってバンドも…と大変だったから、クラスの出し物には面倒くさくて関わらなかった。何をしたかも覚えてない。

 『ごめんね青春!』では文化祭を前に、転校するのを隠す中井貴子がいろいろ押し付けられて看板を描きながら「むしろみんながかわいそう。こんなに楽しいのに参加しないなんて。絶対後悔すると思う」と言っていた。その通りだ。自分は今、後悔している。

 「学生の頃は冷めてた」という原先生も生徒に語る。「文化祭は基本的に寒い。でも寒いことをやってるヤツのほうが、『寒い』ってバカにするヤツより熱い! 笑ってる連中は所詮、外側にいるからだ。参加しないヤツはもっと寒い。だったら参加した方がいい!」

 原先生や蜂矢先生は(つまり宮藤官九郎は)自分たちが素通りした青春を、生徒たち(視聴者)にやり尽くしてほしいと願っている。中でも一番響いた言葉が出たのが5話。駅伝大会に1人の男子生徒が理由も言わず出ないことを「腑に落ちない」という女子生徒に、蜂矢先生が言った。「腑に落ちないくらい我慢しなさい! 青春なんだから!」。

 『あまちゃん』でも「ダサいくらい我慢しろ!」ってセリフがあったが。原先生も続ける。「腑に落ちたら忘れちゃうってことだ。大人になって思い出すのは腑に落ちない思い出ばっかりだ。それが青春!」。

 ムチャクチャなようで納得させられる。実際そうだから。失敗。失恋。遠回り。記憶から消したい気もするが、懐かしくもある。今思えば、もっと腑に落ちない青春を送っておけば良かった。カッコつけてないで。しかし、「青春は人生の一時期ではなく心の様相」なんて言葉もある。今からでもガッついていこうかな。(終わり)


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