『ごめんね青春!』で訴えかけられたもの(3/5) | Deview-デビュー
2014年12月22日

 学園ドラマといえば、『3年B組金八先生』でも『ごくせん』や『GTO』でも、青春の渦中にいる生徒が抱える問題や葛藤を、先生と共に乗り越えていくのがスタンダード。『ごめんね青春!』でもそれはあった。

 たとえば聖三島女学院=三女の生徒会長・中井貴子(黒島結菜)は、駒形大学付属三島高校=東高(とんこー)との共学クラスで、男子が女子を「性的な目で見てる」と訴えるなど潔癖性が強かったが、勉強合宿などを通じて、男子を「あり」としたのも彼女だ。

 さらに、東高の原先生(錦戸亮)を好きになって想いを打ち明ける。つき合うつもりはない。でも、合同文化祭は先生のために頑張ると。そのうえ文化祭前に転校が決まり、誰にも打ち明けず準備に没頭して、車で街を出ていく。途中の歩道橋で、タオルを振る原先生やクラスのみんなと「ありがとう」の横断幕が…。ベタだけど泣けるシーンだった。

 ちなみに黒島は沖縄出身・17歳のショートカット美少女。ドコモCMなどで注目された。ある雑誌で取材を申し込んだが、「今は全部お断りしてる」とのことだった。ドラマの撮影に集中させたいと? 事務所は最近、橋本愛、二階堂ふみ、土屋太鳳ら若手女優が充実のソニーミュージックアーティスツ。

 話を戻すと、『ごめんね青春!』ではそうした生徒たちの物語もありつつ、錦戸亮の原先生と満島ひかりの蜂矢先生の恋愛を含む物語が同時進行している。というか、後半はそちらの話がメインに。

 原先生は東高の、蜂矢先生は三女の出身だが、自らの青春期には悔いを残していて。だから生徒が主役の“青春ドラマ”というより、不完全燃焼の青春にケリをつけようとする大人のドラマに思える。青春のかけがえなさは後になって知るもの。まったく悔いのない大人はいないだろう。だからこそ、原先生たちに共感するセリフが多い。(続く)


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