『ごめんね青春!』で訴えかけられたもの(1/5) | Deview-デビュー
2014年12月18日

 クドカンこと宮藤官九郎といえば、去年の朝ドラ『あまちゃん』を大ヒットさせた脚本家。小ネタ満載で軽妙、かつ感動のツボはハズさないシナリオがあっての国民的ブームだった。じぇじぇじぇ。

 『あまちゃん』以前にも多くのヒット作を生んでいる。『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』『流星の絆』…。ほとんどがTBS。彼を脚本家として発掘したのは、同局の磯山晶プロデューサーだったから。

 そのクドカンが『あまちゃん』後の1作目、TBSでは『うぬぼれ刑事』以来4年ぶりに脚本を書いたのが、最終回が迫る『ごめんね青春!』だ。彼の初の学園ドラマ。「自分に課したテーマは、いじめも体罰も学級崩壊もなく、ただ漫然と1クールを描き切ることです」との公式HPでのコメントに感銘した。そんな青春ドラマが見たかったんだよなぁ。

 近くにある仏教系の男子高とカトリック系の女子高の合併話が出て、実験的に両校の3年生の1クラスずつがシャッフルで共学クラスに。宮藤自身が男子高出身で近くに女子高があり、卒業した後に合併。「現実では体験できなかった男女共学幻想を、ドラマの中で再現したくなりました」としている。

 おおいに期待して観始めた。自分は3話から楽しくなった。1・2話では共学化に無邪気にはしゃぐ男子に対し、潔癖な女子は拒絶反応を示し、「性的な目で見てました!」などと訴えたり。性的、と言われると痛いなぁ。高校卒業から何年も経ったオッサンとしても。

 でも、3話で勉強合宿をやり、優秀な女子が男子を教えるうちに仲良くなってから、楽しくなった。それぞれ気になる相手ができて、告白したりフラれたり。恋に免疫がない分、中学生並みの単純行動が微笑ましくて。

 他にも面白ポイントが本当に多い『ごめんね青春!』だが、視聴率は『あまちゃん』とは似ても似つかぬことになった。(続く)


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