諦めから勝ち獲ったTSCグランプリ(5/5) | Deview-デビュー
2014年12月3日

 ホリプロが今年のTSCで“美唱女”をテーマに掲げ、本格派シンガーと女優を両立できる人材を募集と聞いたとき、イメージしているのは柴咲コウや中島美嘉のようなタイプかと思った。応募資格も16〜25歳と高めで。

 だが、グランプリの生田若菜さんはそういう感じではなかった。

あえて言えば、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』で歌手を目指すヒロインを演じた大原櫻子と重なるか。いずれにせよ、ホリプロはアイドルとして売り出すのでなく、「ドラマで主役と主題歌を両方できる存在」を目指すとのこと。

 生田さんは現在、女子大3年でサークルには入らず、「おうちが好きで、大学が終わったらすぐ家に帰って、妹と写真を撮ったりして遊んでます」とのこと。

 決選大会の歌唱審査では、シェネルの「Believe」を伸びやかに力強く歌って聴き入らせたが、ボイストレーニングなどをした経験はないという。小さい頃はテレビの前でSPEEDをマネて、今でも風呂に入ると1時間歌う。あとはカラオケに行くぐらい。

 もともとは演技のほうに興味があり、今回のTSCは“歌も演技も”という趣旨が目指すものと合致していて応募。一度はグラビアアイドルとして活動したが売れず、芸能界から身を引いたのだが。

「いろいろ考えて、勉強して大学に行って、普通の学生生活をしてみようと思ったんですけど、心にモヤモヤが残っていて、諦めきれない気持ちが強くなりました」

 実行委員長の菜花耕平さんは、合宿中に「その程度ならやめたほうがいい」などと厳しい言葉も投げたそうだが、生田さんはガンとして「やれます」と返してきたという。

 彼女は「これしかない! という気持ちだったので」と話していた。一度は夢を諦めたからこその必死さ。「私なんか…って受けないで後悔するのは、一番悔いが残るので」とも。気が済むまでもがいてみるのは悪いことではないと、彼女は証明した。(終わり)


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