映画『るろうに剣心』のキャスティングの成功と問題点(3/6) | Deview-デビュー
2014年10月28日

 『るろうに剣心』の原作は和月伸宏のマンガ。94年から6年に渡り『少年ジャンプ』に連載された。幕末に“人斬り抜刀斎”と恐れられた剣客・緋村剣心が、明治維新後は“不殺(ころさず)”を誓い流浪人となっていたが、新時代と仲間を守るために戦いに身を投じていくストーリーだ。

 96年からはTVアニメ化され、最初の主題歌がJUDY AND MARYの「そばかす」で、オリコン1位になっている。2012年に実写映画化。その続編が現在「京都大火編」と「伝説の最期編」の2部作として公開されている。原作で人気の高かった“京都編”をベースにしていて。

 いち原作ファンとして、この映画のキャスティングには1作目から“いいんじゃない”という印象があった。佐藤健の剣心、武井咲の神谷薫などイメージ通り。強いて言えば、江口洋介の斎藤一に少し違和感はあった。原作ではもっとニヒル。松田龍平なんかが合っていたかも。

 続編から登場のキャラの配役も良い。敵のボス・志々雄真実役の藤原竜也とか、実際に映画を観て唸らされた。

というのも、志々雄は維新派の暗殺者だったが、鳥羽伏見の戦いに勝利した直後、味方に斬られ丸焼きにされながら一命を取り留めた設定で、火傷を負った全身をミイラのように包帯で覆っている。

藤原は顔を出さず演じているわけで、外見は似てるも何もないが、悪の強者としての揺るぎなさが、まさに志々雄。声や振る舞いだけでその空気を出すのがさすがだった。

 そして、剣心の師匠・比古清十郎を福山雅治が演じているのが「伝説の最期編」の大きな売りたが、これが問題アリ。福山が比古のイメージに合うとか合わないという話ではなくて…。(続く)


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