映画『るろうに剣心』のキャスティングの成功と問題点(1/6) | Deview-デビュー
2014年10月24日

 フリーライターなどやってると、サラリーマンやOLの皆さんより時間の使い方に自由が利く。大ヒット映画でも平日の昼間に行けば混んでなくて、余裕で席は取れる。

 先日、渋谷のBunkamuraル・シネマで『リスボンに誘われて』という映画を観た。これは世間的な話題作ではない。リスボンには3回行ったことがあり、世界の好きな街のひとつ。映画自体も、スイスの高校教師が衝動的にリスボン行きの夜行列車に飛び乗り…という導入が好みだったので。

 料金が1100円の火曜に11:10〜の初回で観ようと30分ほど前に着くと、チケット売り場に長蛇の列ができているではないか。なんで? 『猿の惑星』や『ドラえもん』でもないのに。しかも、平日午前。普通はどんな映画館もすいてる。何とかチケットは買えたが、残り5席と危ないところで、結局満席になっていた。

 周りを見ると年配の女性が多い。それから、高齢の男性。この時間に映画館に来られる人たちだから当然か。40代の自分が若くて浮いてる感じ。率直に言うと“おばあちゃんの匂い”が漂っていた。後で映画館のHPを観ると、サービスデーでない平日のどの時間帯も△(大変混み合います)になっていて。

 『リスボン〜』はCMなどは打ってない。大半の人は知らない映画。だが、チラシには「すべてを投げ出し、どこか遠くへ行き、別の人生を始めたいと思ったことはありませんか? これは誰もが願っては諦める“大人の夢”を実行した、ある男の物語」とあり、人生の先が見えた中年以上には刺さる。マダムたちにクチコミで評判が広がったのか?

 ル・シネマでは他にも、年配でわりと裕福な人が喜びそうな作品を上映していた。それも映画館のひとつのあり方。『リスボン〜』に胸を打たれた自分も(裕福ではないけど)年配枠に入るのか。はぁ…。

 と思いつつ、翌日には大ヒット中の娯楽映画を観に行った。(続く)  


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