リアル『ガラスの仮面』のような朝ドラ新ヒロイン(5/5) | Deview-デビュー
2014年10月6日

 汚い言葉を吐いて「じゃあ死ねよ」と言ったり、陰で人を殺してたり。『人狼ゲーム』で土屋太鳳が演じた由佳は、強気で躊躇も容赦もしないが、演じる彼女は“何でこんなことを言わないといけないんだろう”と辛い気持ちになったとか。どう演じるか悩んだりも。

 だが、「誰が生き残るか? だけでなく、人が人でなくなる過程を描く物語」と考えたら腑に落ちた。人を殺す由佳が紙を食べるシーンはアドリブだったそう。

「人が変わるときって堅い物を噛みたくなるらしいです。それは知らずにやって、そのときは紙がおいしく感じました」

 由佳は指で三角形を描いたり、体が揺れてることが多いが、それも台本には書かれていなかったこと。彼女が自分で入れた動き。

「本当は普通の子だけど、歯車が狂ってる感じを出したくて工夫しました。あと、人は揺れてると気持ち良くなるから」

 今回は役作りを避けつつ、自然と役に同化。土屋太鳳が『ガラスの仮面』の北島マヤのリアル版のように感じた。同時に、刺激の強いこの映画で「センセーショナルなシーンも“本当の自分って?”“生きてる実感はどこ?”とか、伝えるべきものを感じてもらいたいと思って演じました」と話していた。

 率直に言ってB級映画だ。土屋太鳳が出る必要があるのか? とも思った。だが本人はこの役にも全身全霊で挑んだことは、スクリーンからも本人の話からも伝わってくる。

 毎日更新するブログも丁寧な長文。『まれ』ではパティシエを目指す役だが、実際にお菓子作りはしていて、「おとなしい人にはミントを入れたり」など、あげる相手によって細かい工夫を。すべてに真摯な彼女。

 『まれ』のオーディションの勝因は、「希(まれ)は不器用で私と同じ。不器用なりの一生懸命さが伝わったかも」と。役幅が広く特技も多い彼女が不器用とは思えないが、一生懸命さは分かる。(終わり)


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