ジブリ映画で声優を務めた若手女優の取り組み(5/5) | Deview-デビュー
2014年7月23日

 アニメ映画に俳優やタレントが声優として起用されることはあるが、多くは話題作りの意味合いが強い。

だがジブリ映画の主役となると、それでは済まない。

オーディションで選ばれた『思い出のマーニー』のWヒロインの2人。今や引っ張りダコの有村架純も、ジブリスタッフは「去年は『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』と続いて『あまちゃん』は観てなかったし、そんなに有名とは知らなかった」と、純粋に声で選ばれた。

 『マーニー』を試写で観たら、心を閉ざした杏奈の役を、ビジュアルから絵と似てる高月は自然体で演じているようだったが、「『マーニー』と呼び掛けるひとことだけで、30分以上かかりました」とも。

「マーニーがいなくなって、探して、不安になって、叫びたいけど心のなかでつぶやく…という気持ちを込める『マーニー』で、監督さんも『正解はわからない』と。その正解を探りながら、いろいろやりました」

 有村は普段ドラマなどでお馴染みの声と、少し違っていた印象。

「声を作る意識はなかったです。ただ、品のあるお嬢さんをイメージしたとき、自分から出たのがああいう声でした」

 包容力のある声を意識しながら、台本を読んで何度も録音し、聴き直しながら練習。

だが、アフレコ本番では「マーニーが笑ってるとイメージしていた場面で全然笑ってなかったり。そこで瞬時に感情を切り替えるのが大変でした」。

 ドラマなら自分で作った表情や間にセリフのトーンを合わせることもできるが、最初から絵があるアニメでは、そうもいかない。女優と勝手の違う難しさがある。

 『思い出のマーニー』の原作はイギリスの児童文学。ストーリー的にはファンタジー色が強く、そういう意味ではアニメ的。

ただ、その中で2人の少女の葛藤は生身な感じがした。若い女優のひたむきさともシンクロして、声に出るものなのだなと。(終わり)


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