2014年5月23日
『なぞの転校生』の主題歌「今かわるとき」で、桜井美南がCDデビューもした。元JUDY AND MARYのTAKUYAがプロデュース。毎週この歌を聴いていたが、シャレたお姉さん系アーティストが歌ってるのかとずっと思ってた。まさか、みどり役の彼女とは。
「みどりはテンション低めで声も低かったけど、歌だと高いキーしか出ないので。私が歌ってると気づかない方が多かったようです」
本人はそう言うが、声の高さだけでなく、高校生女優にありがちなアイドルっぽい歌でなく、シャッフルの効いたアーティスティックな曲のギャップも大きかった。元コーラス部の彼女。今後あくまで女優メインで行くそうだが、歌の才能も得難い気はする。
ドラマの話に戻ると、この『なぞの転校生』がSFながら青春色が強いのは、転校生の典夫が異次元から来たヒューマノイドでも、劇中でみどりや広一は終盤まで、その事実を知らないから。彼らにとっては、風変りではあるがただの転校生。
転校生とくれば甘酸っぱい想いが定番で、案の定みどりは典夫に惹かれていく。彼女を好きな広一も揺れる。悪意のない三角関係。言い争いのどさくさで、みどりにコクる広一。
「夜の体育館で言われたのは図星だった。俺はみどりが好きだ。でも、みどりは山沢を…」
みどりも流れ星を見たときのことを持ち出す。
「私が何を願ったと思う? 私の好きな人が私を好きになれ、って。それはあなたのこと」
「だったら、その願いは叶ってるさ」
「なんで今言うの? あの夜に言ってくれたらよかったのに! 今は自分で自分の気持ちが分からなくなってる…」
いやいやいや。こんな青いやり取り、久々に聞いた。本人たちには苦い出来事も、後から思えば輝く青春のひとコマ。結局『なぞの転校生』で描かれたものは、ここに行き着く。
(続く)
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