2014年3月19日
AKB48の「大組閣祭り」の前日、読売新聞日曜版に、プロデューサー秋元康氏のエッセイが載った。その中で、なぜ人事異動(組閣)をするかについて、「より多くのメンバーにチャンスを与えるため。人数が多いので、目立つには他のメンバーと違うキャラで売ることが重要」と書いていた。ボーカル力が弱いチームに歌のうまいメンバーを…といった感じで、キャラかぶりを避けようと。
秋元氏には珍しく普通の話だが、AKB48グループの組閣で実際に、目に見えてキャラを発揮し出した例は思い浮かばない。秋元氏自身もエッセイ内で、結局は「適材適所なんてやってみなければわからない」ともしている。
それより、「大切なのはベランダの鉢植えの位置を変えてみること。太陽のあたり方が変われば、目を見張るぐらい伸びるものが出てくるだろう」という部分が本質と感じた。
これまで最も移籍効果が大きかったのは、指原莉乃だ。選抜総選挙4位になりながら、元カレの暴露記事が出て、AKB48から博多のHKT48へ。同じ九州の大分出身とはいえ“左遷”の匂いを感じた。しかし、ヘタレキャラの指原が中学生の多いHKT48を明るく引っ張った。持ち前のトーク力で、メンバーたちの個性を引き出しながら。そんな姿が好感度を上げ、翌年の総選挙では1位に。 他にも、トークがダメだった横山由依がお笑い好きの多いNMB48兼任となり、面白くはないがギャグを言うようになったり。兼任が解けると、篠田麻里子の後任でAKB48チームAのキャプテンになった。個人の成長には、確かに「太陽のあたり方が変わる」効果は少なくないと思う。
そして、今回の「大組閣」。別枠だった公式ライバル乃木坂46まで巻き込み、移籍者がかつてない人数で、リセット感もあったほど。その中で見えてきた狙いは…。
(続く)
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