伝説の遺伝子を継ぐ少女たち(2/6) | Deview-デビュー
2014年2月24日

 昨年8月、10人の少女で結成された東京パフォーマンスドール(TPD)が渋谷の劇場「CBGKシブゲキ!!」でデビュー公演を行った。PLAY×LIVE「1×0(ワンバイゼロ)」と題し、演劇とライブを融合。後半のライブパートを「ダンスサミット」と呼んでいる。

 TPD、ダンサミ…懐かしさを感じる世代もいるだろう。90年代に活躍した伝説的グループの名前を、17年ぶりに受け継いだのだ。

 若い人たちのために元の東京パフォーマンスドールを紹介しておくと、“篠原涼子が在籍していた”といえば、一番ピンと来るだろうか。まあ、若い世代はもはや、篠原が歌手だったことも知らないのかな。小室哲哉プロデュースのソロシングル「恋しさとせつなさと心強さと」は、220万枚を越えるメガヒットでした。

 篠原の他には、EAST END×YURIでラップチューン「DA.YO.NE」をヒットさせた市井由理、プロゴルファーの横田真一と結婚した穴井夕子らも元メンバー。末期には仲間由紀恵も研修生として参加していた。

 TPDは当時としては画期的なスタイルで活動していた。始動した90年はおニャン子クラブのブームの反動で、アイドルは冬の時代。その中でTPDはテレビなどメディアと距離を置き、竹下通り脇にあったライブハウス「原宿ルイード」で毎週行うライブを基軸にした。

 新宿から移転した原宿ルイードはもともと、バンドブームの象徴。移転後も下積み時代のシャ乱Qや山崎まさよしらが出演していて、TPDのようなアイドルは異例。当初は寂しい客の入りだったが、口コミで評判が広がり、やがてチケット争奪戦が起きるまでに。

 これはAKB48の秋葉原の専用劇場での公演システムの原型ともいえる。そしてTPDのライブ内容も、それまでのアイドルにないものだった。
(続く)


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