2014年2月17日
スポンサー全社がCM提供を取りやめた中で放送された『明日、ママがいない』3話は、オツボネ(大後寿々花)の話だった。施設で里親が見つからないまま17歳になり、ポストたち小学生の中で暮らしている。左目には眼帯。酒飲みの母親と言い争い、ビール瓶の破片で目が…。その目を手術するため、金持ちの里親を探し続けていた。
施設長の魔王は「里親でなく金を求めるなら出て行け!」と怒鳴り、オツボネは本当に出て行く。いつも陰気な彼女を小馬鹿にしてるような他の子たちも心配して、“お試し”で里親候補の家にいるポストに相談に。新入りのドンキ(鈴木梨央)は魔王に「オツボネを迎えに行ってください」と懇願していた。
オツボネは母親のスナックに行き、命じられるまま、安ホテルに向かわされていた。男を取るために。彼女にはもう他に行く場所がなかった。そして、ホテルからポストに電話。「ママが『いろいろあったけどごめんね』って。やっぱり一番は本当の親だよ」。そんなオツボネのウソをポストは見抜く。
「居場所を探し続けるのに疲れちゃった」というオツボネにただならぬ気配を感じ、必死に呼びかけるポスト。「私たち本当の姉妹みたいじゃないか! お姉ちゃん! どこにいるの?」。まず、ここで泣けた。
クールなポストは本当はそんなふうに思ってないだろう。でも、オツボネを救いたい一心で「お姉ちゃん」と呼んだ。いや、それほど救いたいと思うなら、やはり本心なのか。ともかくオツボネは保護され、施設に帰ってきた。黙って部屋に戻ろうとしたが、魔王が「メシは? 食え!」とカレーをよそう。
泣きながら食べるオツボネ。「うまいか?」「味わかんないよ」。そんな2人を階段から他の子供たちが笑顔で見ていた。ここでも泣けた。恵まれない境遇の子供たちが、親がいない中で思いやりを育んでいて。そして、「犬と同じだ」の魔王が垣間見せた優しさ…。
3話は抗議を受ける前に撮影済みだったという。これだけ泣かせるドラマを打ち切りなど、あり得ない。幼いポストたちが世の中に立ち向かう姿を最後まで見なければ。
(終わり)
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