2014年1月9日
当麻がセカイと潤に対峙する前、まず瀬文と吉川(北村一輝)が警視庁の屋上に駆けつけて、彼らと遭遇した。そして、屋上から地上に吹っ飛ばされる。瀬文は頭から地面に突き刺さってる映像が流れた。
状況的には2人は死んだはずだが、瀬文がこれで終わりとは誰も思わない。実は生きていて…となるのは良いとして、屋上で当麻の“ピンチ”に、唐突に壁をよじ登って現れるのは。
瀬文はそこまでやる男ではある。だからと言って、地上18階のビルの屋上から落とされたのだ。「なめんな」でも言って復活する描写が1コ欲しかった。そこで瀬文のカッコ良さも際立たすことができたはず。細かいことだが、せっかく2部に分けたなら。
“チームSPECホルダー”の扱いもそう。もっと膨らませられなかったのか。一つの皿に収まらないから二つの皿に分けたような話をしつつ、皿からちょっと溢れただけなのを二皿に分け、どっちも物足りなくなった感じ。うがった見方をすれば、単に2作に分けたほうが儲かるというだけのこと?
『爻の篇』の評判は、ネットの感想サイトでは両極端のようだ。ラストには「朝倉」と『ケイゾク』の登場人物の名前も出てきて、マニア的ファンには好評ながら、そこまで深くない層は「意味が分からない」と。
前述した通り、ドラマの映画化に一定の意義は認める。ただ、閉じた内容になる傾向も否めない。テレビを観てたら分かるけど…と。端的に言えば、自分が飛行機で何の予備知識もなしに『第9地区』に引き込まれたように、『SPEC』のTVシリーズを観たことない外国人が機内プログラムで『結』を観たら、面白いと思えるだろうか?
話題を呼んできた『SPEC』もドラマの平均視聴率は10.5%止まりだった。内容が評価されて映画化に至った。その映画版は上々の興行収入を上げたが、内容は疑問符が付くものになった。難しいものです。
(終わり)
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