2013年12月17日
先に触れた通り、玉置浩二と亀梨和也の堀田家BANDで歌う『東京バンドワゴン』のテーマ曲「サヨナラ☆ありがとう」がオリコン1位になった。エンディングで流れる玉置のソロ曲「サーチライト」も、毎回ホロッとする話の後で染みる。“涙が溢れて止まらなくなって/小さな光を探した夜に/必ず僕を照らすサーチライトは君なんだ”というバラード。
玉置は安全地帯やソロで数々の名曲を残す一方、薬師丸ひろ子との結婚・離婚や石原真里との婚姻騒動と破局にDV疑惑、青田典子との結婚までスキャンダラスなイメージがある。『東京バンドワゴン』で演じる我南人も伝説のロックンローラーだが、現在はフラフラしている自由人。何かと言うと「LOVEだね」と口にする。
亀梨演じる息子の青は姉や兄と違い、2年前に死んだ我南人の妻ではなく、彼と大女優の間に生まれた子。何とも玉置本人と重なるような役柄だ。彼自身、「我南人は自分そのもの。永遠の子供みたいなところがあって、それを逃げ道にしていた」と語っている。
劇中、彼がギター片手に歌うシーンがある。1話から街中のマンション屋上でバンドを付けて「サーチライト」を歌い、警察に連行された。だが、その歌を聴いて彼の友人は20年前に捨てた娘に父親だと名乗り、青の姉の藍子は父親を知らない娘に「お母さんは一生に一度の恋をしたの」と伝える。
くーっ。実際に玉置の歌にはそんな行動を生む力があった。聴いてるだけで泣けてきたから。自分は特に玉置のファンではないが。歌の力も実感させるドラマ。本物のミュージシャンをミュージシャン役で起用する意味があった。
実際に玉置浩二という人は一般的尺度から言えば、破綻した面はある。だが、音楽の才能には関係ない。むしろ、天才にはどこか壊れたところがあるもの。“サーチライトは君なんだ”か。この泣けるドラマのエッセンスはある意味、玉置の歌に集約されている。
(終わり)
戻る