朝ドラ『あまちゃん』を盛り上げる程よい王道の外し方(1/6) | Deview-デビュー
2013年5月8日

 以前、NHK朝ドラの前作『純と愛』について書かせてもらった。ヒロインの純役の夏菜は新人時代に注目していた女優。苦闘の末に6年越しでつかんだ晴れ舞台を最後まで見届けたい…と。でも、すいません。あのドラマ、途中で観るのをやめました。夏菜がどうこうではなく、話が暗すぎて。

 亡き祖父が残した宮古島のホテルを、昔のような“まほうのくに”に戻したいと願う純。父親に反発して、大阪の一流ホテルに就職したところから始まった。となれば、そのホテルで頑張って、やがて宮古島に戻り、また頑張って“まほうのくに”ができる…というストーリーを想像する。朝ドラだし王道で。ところが、全然そうならなかった。

 大阪のホテルは外資系が吸収合併。宮古島に戻った純だが、実家のホテルは父親が取り壊して売却。また大阪に出て安ホテルで働き、小さな幸せを育む場所になりそうだったが、そこも宿泊客の寝タバコで焼失。おまけに母は認知症となり、父は急死。

 この辺から観るのが辛くなった。レギュラー録画はしても、リアルタイムで観られるときしか観ない。わざわざ再生する気になれない。ドラマは主人公が大変な目に遭っても、それを乗り越えて花が咲くからカタルシスがあるのに、逆に希望が見えたと思ったら打ち砕かれる連続では。

 定型でなく救いのないドラマがあってもいいが、毎日放送する朝ドラでそれをやられても。ひたすらどんよりする話を、わざわざ観続ける意味がどこに? となってしまう。

 それでも終盤、大阪の宿泊客から宮古島の別荘を譲られた純が、そこをホテルにすることになり、最後はハッピーエンドとなるかと思ったのだが…。
(続く)


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