売れても辞めるアイドルと売れなくても辞めないアイドル(5/6) | Deview-デビュー
2012年11月20日

 10月に放送されたドキュメンタリ−『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)の「アイドルすかんぴん2」で、2人の地下アイドルが取り上げられていた。ひなたさゆりと鈴木真麗奈。名前を知る人は少ないだろう。

 番組の冒頭、ひなたの給与明細が映し出された。7925円。それが彼女の月収。「米が切れた」と言い、コンビニでおでんの汁だけもらって「おいしい」と飲み干す場面も。

 彼女は“釣りアイドル”で、釣り番組や専門誌の仕事が月に数回。あとは素人相手の撮影会があるが、過呼吸の持病があり、それすらままならない。チェリーブロッサムというインディーグループに入っていたが、体調のために脱退した。

 復帰を希望し、事務所社長に「病気を治すので、またステージに立たせてください」と懇願するが、叶わず。社長は20歳の彼女に「時間はないからな」と厳しい。そもそもチェリーブロッサムに復帰しても、このユニット自体にどんな展望があるのか。

 一方の鈴木は“海賊アイドル”forchunのメンバーだった。自分も去年のTOKYO IDOL FESTIVALで見たが、何だかなと。“海賊”を コンセプトにマリンルックで、鈴木は航海士、他にキャプテンと戦士がいて「一緒に宝探しの旅に出ましょう」という。

 当時、“空の旅”がコンセプトのぱすぽ☆が人気を高めていた。CAふう衣裳で、ライブを“フライト”、観客を“パッセンジャー”などと呼んで。forchunはいかにもパクリっぽかった。

 1年半の密着取材をした『ザ・ノンフィクション』では、鈴木が他の2人のメンバーのやる気なさに悩んでいた。

「遅刻しないでね」とメールしても、何時間も遅刻してくる。アイドルの給料は月5000円ほどで、「夜のバイトをしてたから」と。

結局、forchunは2月に解散。2人も涙していたが。
(続く)


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