20代の胸に刺さっているドラマ(1/5) | Deview-デビュー
2012年9月14日

 最終回を迎える月9ドラマ『リッチマン、プアウーマン』は、資産250億の若きIT企業社長(小栗旬)と、就職試験に落ち続ける女子東大生(石原さとみ)を主人公に“現代版『プリティ・ウーマン』”との触れ込みでスタートした。

 当初は小栗が石原に高級ブランド服を買って着させたりと、それっぽい雰囲気もあった。

だが、このドラマ、2〜3話サイクルで目先がどんどん変わった。

小栗演じる日向の母親と石原演じる真琴が使った偽名の話、戸籍管理システムの開発とIT企業の内情、日向の片腕だった朝比奈(井浦新)の裏切り…。

 そんな中で、2人の恋も進展するような、しないような。

『プリティ・ウーマン』的な雰囲気は陰を潜めた。

でも、この展開、連ドラとして正解。

ラブストーリーでくっ付きそうでくっ付かない流れは王道ではあるが、観ていてかったるくなることも多い。

このドラマでは、その傍らでビジネスものの部分が意外ときっちり描かれ、そっちはそっちで波乱があって飽きない。

 小栗は現在30歳。

「40歳まではメジャーでエンターテイメント色の強いことをちゃんとやっていきたい」と語っている。

この姿勢や良し。

彼は自ら映画監督も務めたぐらいで、いわゆる本格派の芝居へのこだわりは強いのだと思う。

でも、映画ばかり出るような“演技派”の道は行かない。

 ドラマに出続け、今回も「常識? あー、凡人が仲良く生きてくためのルールか」なんて台詞が飛び出すマンガっぽい役を厭わない。

そういえば、映画『荒川アンダーザブリッジ』では、緑尽くめのカブリもので“かっぱ村長”を演じて驚かせたが、あれは逆に「アイドルじゃなくて役者だから、どんな役でもやる」アピールもあったのかと。

 ところで、この月9の後の“月10”で、続けて観ると面白い番組があった。
(続く)


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