榮倉奈々が封印しているもの(4/5) | Deview-デビュー
2012年8月23日

  『セブンティーン』モデル時代から、榮倉奈々のセールスポイントは笑顔だった。

本人は「自分では意識してなかったのに、雑誌に載ったら友達にも『すごく笑ってるね』と言われました」と話していた。大輪のひまわりのようなスマイル。

 CMなどでニコッとされると、一瞬でやられてしまう。

テレビ画面から光が差し込むよう。業界的に言うと、黙ってるところを撮っても“絵が持つ”存在感が彼女にはある。

 けど、女優としての代表作には、意外と笑わない役が多い。

映画『余命1ヵ月の花嫁』や『アントキノイノチ』、ドラマでも最近だと『泣かないと決めた日』や『蜜の味』など、暗いトーンの作品が目立つ。

極め付けが、現在主演する『黒の女教師』だ。プロデューサーから何度も「笑顔を封印してください」と言われてるとか。

 このドラマ、放送前に「悪を持って悪を制す」「史上最悪の教師 驚愕の課外授業」とセンセーショナルに宣伝していた。

「かつてない学園ドラマ」だと。

 確かに、トラブルで絶対絶命の生徒を報酬と引き替えに救う教師の話はなかったが、ドラマの構造としては極めてオーソドックスな作りだ。

脱法ハーブや痴漢でっち上げの元凶を、法や警察に頼らず成敗するのは、『必殺仕事人』から続く鉄板のスタイル。

 冷徹で感情を見せない女教師は天海祐希の『女王の教室』に通じるし、依頼されれば何でもやってのけるのは『家政婦のミタ』っぽい。

過去に何かがあって変わってしまったらしいところも。ドラマではないが、“金さえ払えば助けてやる”という姿勢は、マンガの『ブラックジャック』的だ。

 そんな女教師を榮倉奈々がどう演じてるかというと、これがイマイチ…。
(続く)


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