2012年5月8日
以前も触れたが、個人的に好きな若手女優として、多部未華子と谷村美月を挙げていた時期があった。
何気ない日常が外からはキラキラしてるという、青春の季節をナチュラルに体現できる2人だった。
谷村で印象深いのは映画『檸檬のころ』。地方都市の5人の高校生の群像劇で、彼女が演じたのは音楽ライター志望で四六時中ウォークマンを聴き、『ROCKIN' ON JAPAN』を読んでる女の子。
趣味が通じた軽音部の男子(平川地一丁目の林直次郎)に恋をして、彼の作った曲に詞を書く。彼が彼女持ちと分かり落胆していたが、最後はその曲を歌う文化祭のステージに校舎を走って駆け付け、「カッコ良かったよー!」と精一杯の笑顔で叫んで…。
ただ、青春映画はいつまでも出演できるジャンルではない。多部は『デカワンコ』などコメディ路線でステップアップ。
一方、谷村は映画『おにいちゃんのハナビ』で兄を慕う白血病の少女、ドラマ『心の糸』で耳の聞こえない美容師見習いなど、高校生ではなくても清純派路線を突っ切るようにも見えた。
ところが、ある日のスポーツ紙に、金髪で一瞬誰か分からない彼女の写真が。ドラマ『夜明けのララバイ』で、逮捕歴があり好きでもない男と寝てはリストカットを繰り返す役を演じると。
このドラマのことも前に書いたが、続いて『SPEC翔』では、命を狙われてると思いきや、実は自身が親の命すら何とも思わぬ冷酷なSPECホルダーという役を、憎々しく演じた。
そんな路線変更の極め付けが、民放で初の主演ドラマとして放送中の『たぶらかし〜代行女優業・マキ〜』だ。何せいきなり…。
(明日へ続く)

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