今年のスカウトキャラバンに力が入る理由(6/6) | Deview-デビュー
2012年4月10日

 新人タレントの登龍門とされつつ、石原さとみ以降は大ブレイクがないホリプロTSC。ただ過去の例を見ると、ブレイクはしなかったとしても、長く芸能活動を続けている人が多い。

 古いところだと、井森美幸や山瀬まみ。

84年と85年のグランプリで、共に最初はアイドル歌手としてデビュー。中山美穂、斉藤由貴、南野陽子、浅香唯らが競っていた時代で、2人は共に売れなかったが、トーク力やキャラを生かして“バラドル”の先駆者に。

 アイドルとしてダメだった時点で、お払い箱になる女性タレントも多かったが、ホリプロでは何とか2人を生かす道を模索したと、ベテランスタッフに聞いたことがある。

今はアイドルでもお笑い的なことをやるのは普通だが、当時はそんな人がいなかった中で。

 90年の戸田菜穂や95年の佐藤仁美も、派手に売れることはなかったが、今も映画やドラマの脇役でよく目にする。

戸田なら『JIN−仁−』の喜市ちゃんの死んでしまったお母さん、佐藤なら『家政婦のミタ』の阿須田家の隣りに住む嫌味な奥さんなどと、話題作でも印象を残していて。

 ひと言でいえば、面倒見がいい。

TSCでは各年度の実行委員長が、グランプリの所属後もマネージメントを受け持つ。

たとえブレイクはできなくても、タレント人生まで終わりにはしない。小さな花でも咲かせられるように…という家族的つながりが、ホリプロの良さだと思う。

 とはいえ毎年大々的にオーディションを行って、中堅タレントばかり作るわけにもいかない。

石原さとみから10年も空いてしまっては。

なので今年は力が入る。

グランプリに10コの出口を用意し「早くブレイクできる即戦力を探します」と津嶋部長。

 タレント志望者は、国民的美少女と両方受けるのだろうか。

予選などで日程が重なることがあるかも。

ホリプロの温かみとオスカーの勢い。受ける側も悩みどころかも。
(終わり)


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