2012年4月5日
12年前のホリプロTSCで特別賞となったのが綾瀬はるか。
この年のグランプリ・藤本綾はすでに引退。
その回も実行委員長だった津嶋敬介部長、実は当時、予選段階では綾瀬を「一番いい」と思っていたという。
この年の決選大会では、審査員と別に業界関係者を数10人招き、「仕事したい」と思った候補者にプラカードを上げてもらうことをした。そのプラカードが上がった数も、綾瀬がダントツだった。
では、なぜグランプリは彼女でなかったのか?
合宿などで長く接するうちに、藤本がかわいく見えてきたらしい。
情が移った、というやつ。昨年のTSCでも、グランプリの田所あずさの選出理由として、実行委員長が「ほっとけなさ」を挙げていた。キャリーバッグを引っ張ってたら、逆にバッグに引っ張られて走り出すような。
そこで選ぶなら歌や演技の審査は何だったのか?(その素質は前提での発言だろうけど)と思いつつ、分かる心情ではある。
月刊デ☆ビューで合宿から密着取材しただけで、人懐っこい子や頑張ってる子を応援したくなるから。むしろ、できない子ほど、かわいく見えがち。
長い審査期間で情が移り、タレントとしての可能性を見る目が曇る。これがホリプロ社内で“実行委員長病”と呼ばれているもの。実行委員以外の社員が決選大会で初めて候補者たちを見て、「なぜあの子がグランプリじゃないの?」と思うことがよくあるらしい。
2年前のTSCで初の女性実行委員長を務めた竹中久美子さんも、この点を指摘。女性らしく割り切り、合宿と決選大会の日程をつなげ、あえて時間をかけなかった。
今年も同様で8月中に決着をつける。津嶋部長は「女の子たちを遠くから見たい」と。
他にも今年のTSCには、近年と異なるところが多々。この老舗オーディション、若干ピンチだからだとか。
(明日へ続く)

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