2012年3月29日
散々語られてるが、昨年のAKB48の選抜総選挙。1位に返り咲いた前田敦子は泣きじゃくりながらステージに上がった。クールなイメージの彼女が…と驚かされたが、さらにスピーチでは「私を嫌いな人もたくさんいると思います。私を嫌いでもAKBは嫌いにならないでください」と涙の訴え。
投票で1位になったのに「私を嫌いな人もたくさん」って。彼女が何かに追い詰められてるようにも感じた。以前触れた映画『Document of AKB48』では、バックステージで高橋みなみが「1年間キツかったんだよな」と、泣いてる彼女を抱き止めるシーンがあった。
何がキツかったのか。彼女は何を背負っていたのか。何となくは察せても、本当のところは本人にしか分からない。いずれにせよ、すべてを笑って受け流せるほどには、前田敦子は図太くないのだと思う。
というより、あまりに巨大な存在になったAKB48のトップに立つ重圧は、どんなに図太かったとしても当時10代の少女が背負えるキャパシティを越えていたのかも。
その後の西武ドームコンサートでも、センターに立つことが多いプレッシャーからか、幾度か過呼吸に陥っていたことが『Document of AKB48』で映し出されていた。この映画での彼女は、言い方は悪いが病んでるようにも見えるところがあった。
たとえば、舞台裏でソロデビュー曲「Flower」を1人で練習する場面。壁の前に立って歌っていたが、その壁との距離がやたら近い。人はそこまで壁の真ん前に立つものか。心理的な追い詰められ感を象徴してるように、勝手ながら見えてしまった。
勝手ついでに想像すると、彼女のプレッシャーの要因はAKBでの活動以上に、この頃ソロで展開した主演ドラマや映画での部分が大きかったのでは。(明日へ続く)

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