大震災から1年、東北アイドルの想い(4/5) | Deview-デビュー
2012年3月26日

 仙台のローカルアイドルながら、全国のアイドルファンの支持を高めているドロシーリトルハッピー。人気爆発のきっかけは「デモサヨナラ」という曲での「好きよ」「オレも」のコール&レスポンスだった。

 リーダーの白戸佳奈は「もし違う曲を歌っていたら、どうなっていただろう? という気持ちがすごくあります」と語る。

 この「デモサヨナラ」、メロディが美しく切ない、ただでも胸をくすぐる名曲だ。

卒業で離れてしまう女の子と男の子が描かれている。遠距離になってしまうけど大丈夫だよ――と言い聞かせながら。だが、東日本大震災を受けて、メンバーたちもファンも、受け取り方が変わったという。

「ずっと恋愛の歌だと思ってましたけど、震災で大切な人と別れてしまった方や、おうちとサヨナラしないといけなかった方もたくさんいて。いろんなサヨナラがある。でも、どの別れも終わりじゃなくて始まりだから。“離れていても大丈夫”という想いを、今までより強く込めて歌えるようになりました」(高橋麻里)

 想いの強さは聴く人に伝わった。だからこそ、より胸を打つ曲になり、TIFで初めて耳にした人の心も捉えたのだと思う。知らず知らずのうちに。

 この曲を含むメジャーデビューアルバム『デモサヨナラ』は震災で行き渡らなかったが、今年1月にリメイクして収録曲も変えた『デモサヨナラ2012』としてリリース。

同時発売のシングル「HAPPY DAYS!」収録の「未来へ」も人気が高い。

“涙をこらえてた昨日よりも/あなたがいる今日は辛いことも乗り切れる”という歌。「ファンの方たちと私たちのように思いました」(秋元瑠海)。

 さらに震災は、ドロシーのライブ観も変えた。(明日へ続く)


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