大震災から1年、東北アイドルの想い(2/5) | Deview-デビュー
2012年3月22日

  仙台の芸能事務所ステップワンに所属する5人組のローカルアイドル、ドロシーリトルハッピー。全員が仙台在住で、メンバーの1人・富永美杜の名前は、仙台の別称“杜の都”が由来だ。

 元JIGGER’S SONの坂本サトルがプロデュース。ユニット名は『オズの魔法使い』のドロシーのように小さな幸せに気づく子たちに…と付けた。

個人的には前身のB♭(ビーフラット)時代に、東京でのイベントで見たことがあり、地方アイドルの標準を越えて“かわいい子が揃ってる”との印象があった。

 メンバーを選りすぐり、ドロシーとしてインディーズデビューしたのが一昨年8月。

地元のライブハウスやお祭りに出演していたが、当初は仙台でも観客20人、青森ではたった2人の前で歌ったこともあったとか。

 それでも楽曲とヴィジュアルの良さで人気を高め、仙台では100人レベルの動員力を持つように。

昨年には、エイベックスからミニアルバム『デモサヨナラ』を3月16日に発売することも決定。ところが、11日に東日本大震災が起こる。メンバーたちも仙台で被災。家族も含め生死に関わることはなかったが、友達にはそんな人も…。ライブは1ヵ月中止。せっかく出たデビューアルバムも、地元・東北では店に並ばない。

 5月になり自らの意志で、震災後の初のワンマンを仙台のライブハウスで開催した。復興ライブとして入場料はドリンク代のみ。「1人でも多くの方に少しでも笑顔になって欲しかった」と5人は振り返る。

 ライブ後の握手会では、家を流されたり家族と離れ離れになったというファンから「頑張る気持ちになれました」と声が掛かる。

「ライブをして本当に良かったと思いました」(美杜)。それからドロシーは、東北各地の復興イベントに駆け巡った。(明日へ続く)


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