2012年3月16日
映画『DOCUMENT of AKB48』の核になっていた、西武ドーム2日目の舞台裏。初日の失敗を取り返そうと、朝のリハーサルで自ら演出への要望も出すメンバーたち。
だが、エースの前田敦子が過呼吸で倒れる。
ライブに出られないかも…。急きょ松井珠理奈や横山由依が、前田のパートの振りを覚え始める。結局、本番前に円陣を組んでるところに、おぼつかない足取りながら前田が戻ってきたが、これでメデタシ…とはならない。
カメラは本番の苛酷な舞台裏を映す。熱中症でステージから戻るやバタバタ倒れ込むメンバーたち。「タオル持ってきて!」と怒号が飛ぶ。酸素吸入器を口に当てるメンバーも続出し、まるで野戦病院だ。
そして、大島優子も過呼吸に襲われる。階段に座り込み「出る場所だけ教えてください…」と。人一倍の気力で引っ張ってきた高橋みなみも、イスにへたり込んで「目の前がボヤける…」とつぶやく。華やかなステージの裏が、こんな凄まじいことになってたとは。
アンコール前には、前田敦子が再び過呼吸にあえぐ。
通常アンコールがかかってから出るまでは3分だが、メンバーの体調を整えるために9分まで延ばし、それでも1曲目に前田は出ていけない。
次は「フライングゲット」。
総選挙で1位となり、前田がセンターの座を射止めた曲…。
医師に止められたのを振り切って、ステージに姿を現した前田。MCではゼエゼエ言うだけで話せない。それでもイントロが流れ出すと、見事に踊り切った。
この壮絶なドキュメント映画、AKBメンバーたちの必死な姿に感動したし、涙が出るところもあった。だが観終わった後、スカッとしない。
何かドスーンとしたものが、胸の奥に沈殿したような気分になっていた。
(明日へ続く)

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