2012年3月13日
アイドル・ドキュメンタリーとして衝撃的な映画『DOCUMENT of AKB48 Show must go on』は、バスで東北に向かうメンバーたちの映像から始まる。東日本大震災の被災地での復興支援ライブ。
壊滅状態の街を車窓から目にしながら、大島優子が「緊張する…」と漏らす。
こんな状況で歌いに来て、受け入れられるのか? それでも会場に到着し、待っていたたくさん人たちの歓声を聴くと、いつもの笑顔になって小さなステージへ。
峯岸みなみは小さな女の子から、摘んできた花束をプレゼントされる。
少しでも目線を合わせようとステージで這うように屈んで受け取ったが、後で「ステージから降りて向き合ってあげれば良かった…」と大粒の涙をこぼしていた。
仙台在住でメンバーで唯一被災した研究生・岩田華怜の心情も語られる。
「研究生に受かったけど悩んでいた。地震があったからこそ、頑張って夢をつかもうと決心した」
被災地でのライブを終えて、優子も語る。
「AKBは自分の夢へのステップアップの場所。そう思っていたけど、歌で人を笑顔にするのはすごいこと。AKBで日本を元気にしたい。違う目標ができました」
アイドルとして歌う意味を、被災地ライブを通じて見出す。ここまでなら、ドキュメントの着地点としては“いい話”だ。だが、この映画はアイドルのもっと生々しい姿を浮き彫りにする。
大きな柱として構成されたのは、この復興支援ライブと、西武ドームでのコンサート、そして、9・10期生により新たに作られたチーム4の裏側。
まず、チーム4の話から振り返ろう。ここではアイドルのタブーに触れられていた。
(明日へ続く)

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