グラビアアイドルのリアルな苦悩(1/5) | Deview-デビュー
2012年3月5日

「プライドがボロボロでもグラビアしかできないんです! やらなかったら、誰にも相手にされなくなるかもしれないんですよ!」

 テレビ東京系で放送中の深夜ドラマ『撮らないで下さい!! グラビアアイドル裏物語』で出た台詞だ。ドラマであり台詞のはずだが、演じてるのは本物のグラビアアイドル。どこまで虚構で、どこまで現実か分からない作りになっている。ヤバいドラマだ。

 劇中で軸になってるのは、テレ東発のグラビアアイドルユニット「テレ東7ちゃんガールズ(仮)」のオーディション。このオーディション自体は実際に行われ、ユニットも結成される。多くのグラドルが応募した中から19人が最終候補に選ばれ、このドラマにも本人とも役ともつかぬ形で出演している。

 ドラマでは毎回1人をフィーチャー。オーディション決勝までの1週間、ディレクターが密着取材するという内容だ。だから作りとしてはドキュメント。1週間の間にトラブルやスタッフとの口論が起こり、「カメラ止めて!」「撮らないで下さい!」という場面が定番。

 ドラマとして台本はあるのだろうが、観てると本物のドキュメントに思えてくる。グラドルたちが演技というより、本心をブチまけてるようで。ちなみに冒頭の台詞は、川村ゆきえがディレクターに「ずっと撮ってるとムリしてるのが分かる」と言われ、キレたように溢れ出た言葉の一つ。

「グラビアの子はムリするしかないの! 寒いのに水着とか」「ムリとか言ってられない。休んだら仕事がなくなる。夢に真っ白なスケジュール帳が出てきたことがありますか?」「“いつか女優に”っていつ? いつかなんて、いつまで経っても来ないんですよ!」

 台詞なのかこれは? 観ていて胸が痛くなる叫び。グラビアアイドルが置かれてる状況の厳しさは紛れもない現実だ。
(明日へ続く)


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