2012年3月2日
『山下智久・ルート66〜たった一人のアメリカ〜』は、山Pがアメリカ横断道路ルート66を、マネージャーも付かず1人で車を運転しながら走破したドキュメント。実際は2週間の旅だったらしい。
俳優でも歌手でもアイドルでもなく、26歳の一人の男として――と謳われてる。ドラマではいつもクールな彼が、ハンドルを握りながら「OK、レッツゴー!」と妙なハイテンションで繰り返したり、コインランドリーでアメリカ式の洗濯機の使い方を手探りしながら、「初めてのコインラインドリー。初コイ」とダジャレてみたり。
モーテル(←アメリカでは車で乗り付けるホテルのこと)のベッドにダイブして、「テキサス!」とVサインとか。そういうヤツだったのか、山P。レストランではカウボーイが食べていたのと同じ特大ステーキを頼んだものの、ほとんど残して悔しげな顔に。
旅と言ってもカメラは回ってる。バラエティ仕様の自分にしただけかもしれない。だが、ガソリンスタンドが見当らない道でガス欠のピンチに見舞われたり、大雨にあって中古のシボレーが雨漏りしたりしながら、鈴江秀樹プロデューサーがツイートしてる通り「旅で変わっていった」部分もあるだろう。
日本を離れ、回を追うごとに解放感が出るのが見て取れる。テレビで観ていても一緒に旅気分。今、毎週楽しみな番組の一つだ。
アメリカ開拓の歴史と重なり“マザーロード”と呼ばれるルート66は現在、事実上は廃線。歴史的な価値以外の実用性はないという。ただの田舎のボロ道。ハイウェイを使う方が速い。山Pの番組でも、景色が延々と変わらない、ひたすら長い道を走る映像がある。
それでも多くのアメリカ人や世界の旅人を引き寄せ続ける道。ドラマと別の顔で生き生きとハンドルを握る山Pの姿に“いつか自分も…”と思わせられる。
(終わり)

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