山下智久のドラマの顔と旅の顔(4/5) | Deview-デビュー
2012年3月1日

 山下智久が主演しているドラマ『最高の人生の終わり方』。自らの死に備える“終活”が取り沙汰される中、誰にでもいつか訪れる死をテーマにしたのは、連ドラとしては結構思い切った方向性だ。

 亡くなった後に明かされる故人の想いに涙…という作りも悪くない。ただ、率直に言って、このドラマ、狙いが微妙に外れてる。2話の、バイオリニストのストーカーかと思われた男性が、そのバイオリニストを守って刺殺された話も、男性の妹が脳死して心臓を移植した相手がバイオリニストで、妹と重ねて見守っていた…というオチだったが、ちょっとムリがある。

 他の回も、姑から嫁、血の繋がらない父親から息子などと、生前対立してたけど実は愛情が…と葬儀を前に知る展開になってるが、“泣かせよう”というのが見えてしまう。

 故人の想いを探るため、山Pが合コンで知り合った女性刑事の榮倉奈々と捜査まがいのことをするのも、どうなのか。ミステリー要素を入れようとしてるのだろうが、何か中途半端。榮倉はスーツを着ても刑事に見えないし、遺体の扱いで警察と付き合いがあるとはいえ、外部の人間である葬儀屋に、いちいち捜査情報を教えていいのか。

 視聴者に狙いだけが見えて、中身が追いつかないパターン。しかし、例によって山Pが家庭にも問題を抱えつつ、必ず死ぬ人間が生きる理由を探す姿には感情移入できる。テーマとしては果敢な挑戦。終盤に期待しよう。

 その山P、『ルート66〜たった一人のアメリカ〜』の方では、何かテンションがおかしい。そっちが彼の素顔なのか。アメリカ大陸をシカゴからロサンゼルスまで横断するルート66を、自ら運転する車で走り続ける姿は実に楽しげだが。
(明日へ続く)


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