山下智久のドラマの顔と旅の顔(3/5) | Deview-デビュー
2012年2月29日

 山下智久の笑顔って、あまり思い浮かばない。ライブに行ったことはないし、バラエティであまり観ないからかもしれないが、ドラマでは笑わない役が多い。

 『ドラゴン桜』では家庭が借金を抱え、世の中に反抗的な高校生。『クロサギ』では、一家心中から一命を取り留めた過去を持つ、詐欺師をハメる詐欺師。『コードブルー』では、幼少期に両親が離婚し母親が自殺しているフェロードクター…。

 ストイックでどこか陰のあるイメージが、役者としての彼にはついている。映画『あしたのジョー』は典型的。ただ、ヘンに暗い方向に行かず、自分のやり方で前に進む意志が醸し出されるのが持ち味だろう。だから、ミーハーファンならずとも共感を呼ぶ。彼自身、母子家庭育ちで、「早く仕事をして母親を楽にさせたい」と、11歳でジャニーズに入ったそうだが。

 ちなみに以前『SMAP×SMAP』に出ていたとき、マンガ原作ドラマ・映画の話になって、山Pはチラッと「『デスノート』はやりたかった」と発言していた。山Pの夜神月…合ってたかも。てか、Lを演じたかったのだろうか? そっちはどうか。むしろ、より見たかったかも。

 そして、現在出演しているのが『最高の人生の終わり方』。葬儀社を営む家庭の次男として生まれ、家を離れていたが、父親の急死と長男の行方不明から葬儀社を継いだという役柄だ。亡くなった人間の遺したものがテーマで、今回もまた、あまり笑わない。

 一方、このクールではもう1本、別の番組に出演している。深夜の紀行ドキュメント『山下智久・ルート66〜たった一人のアメリカ〜』。これが実に面白い。山Pのイメージも個人的にはだいぶ変わった。
(明日へ続く)


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