吉本NSCの完璧な養成所ビジネス(3/4) | Deview-デビュー
2012年2月17日

 NSCお笑いコースには昨年、大阪校・東京校合わせ1250人が入所した。入学金10万円、年間授業料30万円。単純計算で5億円が吉本の懐に。しかも1200人いれば、将来さらに金を落とすスターになる才能が何人かいるはず。嫌らしい言い方だが、こんなおいしいビジネスはない。

 入所する側の立場からはどうか。20歳かそこらで40万円は大金だ。でも、それで1年間お笑いのノウハウを学び、デビューできるなら高くない。まして、ダウンタウンやナインティナインのようになれるなら…。

 現実はそう甘くない。前述した通りNSC出身で活躍中のお笑いタレントは多いが、それでも入所者全体から見たら1%ほど。大半の人にとって、NSC通いは結果“ムダ”になるが、入所時には誰もが自分は1%側の人間だと信じている。

 毎年1組でもスターが出れば、チャンスは誰にでもあるように思える。その1組を目指し、また1000人が40万円を払って入所。その中からまた1組スターになれば、また1000人が…とサイクル的にも完璧なビジネスモデルと言っていい。

 990人がダメでも、ビジネスとしては成功。そういう意味で、1期からダウンタウンが出たのが本当に大きかった。

 逆に、入所試験は99%合格とも。明らかにヘンな(面白いという意味でなく)人間を落とすだけ。そりゃそうだろう。こう言うと身もフタもないが、才能がなくてもお金を払ってくれたら、受け入れ側は問題ない。

 とはいえ、吉本だって1人でも多くの才能が出るに越したことはない。逸材を見出す努力はするはず。実際NSCに入ると、どんなことをするのか?
(明日へ続く)


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