松本潤が放つスピード感(4/5) | Deview-デビュー
2012年2月13日

 探偵ドラマというと、往年の名作がある。萩原健一主演の『傷だらけの天使』、沖雅也の『俺たちは天使だ!』、そして松田優作の『探偵物語』。いずれも70年代の放送ながら、今DVDで観ても面白い。

 アウトロー的なカッコよさ、コミカルなやり取り、いい意味チープなスリル。それで少しホロ苦くて。だが、最近はヒット作がない。刑事ものは多いのに探偵ものがないのは、裏稼業より組織を描くほうが現代的だから?

 でも、『ラッキーセブン』の探偵事務所は、松潤以外も魅力あるキャストだ。女社長の松嶋菜々子、コミカル担当の大泉洋、キレ者の瑛太、今ドキでクールな仲里依紗、経理担当で一般人代表の角野卓造。いいキャラが揃った。21世紀初のワクワクする探偵ドラマになるのではと楽しみ。と思ってたんだけど…。

 1話の地下格闘場の話はスピード感があって面白かった。でも、2話は企業の研究員の背任行為。3話は結婚詐欺。ホロッとさせるところはありつつ、人情話に寄せ過ぎて何だか地味。探偵ドラマらしいスカッとくる感じがない。

 もちろん2012年の現在、フェルトハットをかぶった70年代的な探偵でもアレだし、劇中あった通りティッシュを配って営業するのがリアルな探偵なのかも。とはいえ、せっかく松潤が主演なのだから。マンガ的でもいい。ただの正義感の持ち主でなく、もっとメチャクチャやらせて欲しい。

 スカした軽いノリでヒョイヒョイ動きながら、事件を解決していく。21世紀的でカッコイイ探偵像、松潤なら作れると思うのだが。

 ところで松潤って、素顔はどんな感じなのか。
(明日へ続く)


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