松本潤が放つスピード感(1/5) | Deview-デビュー
2012年2月8日

 だいぶ前に読んだものだが、直木賞作家・村松友視氏のエッセイで、学生時代に同級生だった女の子について「あの子の顔はスピード感がある、と思った」との記述があった。友達にそう話したらポカンとされた、とも。

 スピード感のある顔…確かによく分からない。だが、松本潤を見てると“こういう顔のこと?”と思う。表情の変化が激しいとかではなく、常に走り出しそうな空気とでもいうか。言葉で説明すると、どんどん本質から離れる気もするが。

 美形でありつつ、どこか野性動物的で、スリリングなたたずまい。それが松本潤の魅力では。鋭角的に距離を詰めてきそうなストレートさが、女性ファンを虜に? 自分は女性じゃないから分かりませんけど。

 現在、月9ドラマ『ラッキーセブン』に主演。嵐ではテレビでよく見るが、連ドラは2010年の夏クール以来で意外と久しぶりだ。この駿太郎という役がハマっていて面白い。

 “自由人”と称して仕事に就かず、人妻と昼間から情事にふける日々を送っていたが、人妻の夫が依頼した探偵に関係を突き止められ、別れを告げられるのが1話の滑り出し。いきなりベッドで上半身ヌードを披露して、女性視聴者はウットリ?

 それから街で探偵(瑛太)を見掛け、詰め寄り、いなされ、追い掛け、逆に探偵としてスカウトされる。尾行したりヘマしながら、意外な正義感を発揮して…とビュンビュン来る展開に、松本潤のスピード感が引き込む。

 ただ役者としての彼は、評価が分かれる存在でもあるようで。
(明日へ続く)


559作者プロフィール

戻る
×