40代女優が再び脚光を浴びる理由(4/5) | Deview-デビュー
2012年2月6日

 アイドル歌手からアーティストへの転身は難しい。アイドルとして売れた人ほど定着したイメージから脱却できず、やがてCDが出なくなる例が大半。原田知世もそうなりかけたが、1996年にカーディガンズを手掛けたトーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎えた。

 今でこそスウェディッシュポップに取り組むアーティストも多いが、当時はパイオニア。トーレが日本人をプロデュースしたのも初だった。シングル「ロマンス」が久々にヒットし、この曲を含む全曲自ら作詞したアルバム『I could be free』は外資系レコード店でも注目され、11年ぶりにオリコンTOP10入り。

 最近出演していたテレビでも、「『時をかける少女』を知らない若い方がファンになってくれました」と振り返っていた。実際ライブでは、客席の前と後ろでファンのノリが全然違っていて。アイドル歌手だった彼女とスウェディシュ系アーティストの彼女のイメージが重ならない。あえて言えば、“か細い”とされた歌声を自覚的に有効に使うようになった…というところか。

 女優としても、かつてのように派手な作品には出なくなったが、『姑獲鳥の夏』など渋い映画で活躍。昨年の朝ドラ『おひさま』では、井上真央が演じたヒロイン陽子の母親役を。娘に「女の子は太陽」と説いたのがタイトルに繋がり、お嬢様育ちながら芯の強い女性を好演した。

 そんな長い経緯がありつつ、今ここで連ドラ主演というド真ん中に原田知世が立ったら…と思うのだ。どうでしょう? 主演映画『しあわせのパン』も公開中。これがまた良い。
(明日へ続く)


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