40代女優が再び脚光を浴びる理由(3/5) | Deview-デビュー
2012年2月3日

 『家政婦のミタ』の大ヒットもあり、アラフォー以上の元トレンディ女優のプッシュに拍車がかるドラマ界。ならば、原田知世なんてどうでしょう? 現在44歳。  浮き沈みが激しい芸能界にあって、彼女の軌跡は興味深い。息長く活動しつつ、時代ごとに顔を出す場所が違うというか。

 デビューが1982年だから、今年30周年。角川映画オーディション出身で、後に何度もリメイクされる伝説的名作『時をかける少女』などでアイドル女優として人気を博した。

 当時の彼女の存在感は特別。透明感ある中性的なたたずまいで、先輩の薬師丸ひろ子同様テレビにあまり出ないこともあり、どこか神秘的なカリスマ少女だった。

 ユーミンが作詞作曲した「時をかける少女」など、映画主題歌も自ら歌いヒット連発。声量に乏しく、たどたどしいヴォーカルながら、だからこそ今にも時の狭間に消えてしまいそうな少女のイメージを体現していて。

 角川映画から離れると一時は名前を見なくなったが、20歳になった1987年、ヒロインを演じた映画『私をスキーにつれてって』の大ヒットで再び脚光を浴びる。神秘的な少女が思い切りバブルに乗った映画で復活。

 一方、音楽活動では脱アイドルを図り、フレンチポップ「彼と彼女のソネット」をカバーしたりするも、セールスはアイドル時代に遠く及ばず。たいていの元アイドルは、そこで音楽から撤退して女優やタレント業に専念するが、原田知世は続けた。

 90年代に入ると腰を据えてアルバム作りに取り組む。ムーンライダーズの鈴木慶一プロデュースで3作出して、セールス的にはオリコン83位などやはり低迷。しかし、ここで彼女にまたも大きな転機が訪れた。
(明日へ続く)


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