2012年1月31日
同じアイドルブームでも、松田聖子や小泉今日子から中山美穂、南野陽子、浅香唯らが活躍した80年代と決定的に違うのが、グループが主流ということ。
握手会を重視するなら、AKBのように人数が多いほど稼働しやすいし、ファンを集めやすい。かつ、現代のファンはリアル『アイドルマスター』とでもいうか、育成ゲーム感覚でアイドルを見る気質がある。スペックが異なるキャラクターから推しメンを決めて、応援していくような。
となると、今はソロアイドルは不利。誰もが逸材と認める真野恵里菜でさえ、ちょうどAKB人気が急上昇する中でデビューして、埋没してしまった感がある。
だが去年、真野と同じハロプロエッグ出身の吉川友がソロデビューした。1stシングル が9位。主演映画の主題歌でもあった2nd「ハピラピ〜Sunrise〜」は4位と健闘。1st アルバム『ONE for YOU!』も18日に発売された。
ソロという形だけでなく、楽曲には恋する女の子のかわいらしさが描かれていたりと、アイドルの伝統的な文脈。吉川本人は「自分に自信がなくて、本当はユニットでデビューしたいと思ってました」などと控えめで、そこがまたかわいらしいというか。
オッサンから見ると、80年代アイドル的なたたずまいを感じる彼女。周りがグループばかりの中、若いファンには新鮮? コンセプトどころかグループすら組んでないのが、逆に独自のコンセプトとして機能してる面もある。
とはいえ、コンセプトはやはりオマケ。オマケに釣られて商品を買うことは実際多いけど、今年のアイドル界、オマケは付いてなくても商品そのものを目当てにさせる正統派が、浮上してくる気がする。
(終わり)

戻る