2012年1月10日
4月から始まった『マツコ&有吉の怒り新党』。
当初は火曜25:21〜の放送。遠慮ない毒舌で鳴らすマツコ・デラックスと有吉弘行がMC。視聴者が日々感じる“怒り”について投書して、それをネタにトークを繰り広げる…と聞けば、2人が怒りをドッカンドッカン爆発させるのを想像する。
ところがフタを開けたら、マツコも有吉もあまり怒らないのだ。「会社の上司が何でも“気力と根性”で解決しろと言ってくる」という投書に、有吉は「俺もそっち系だから」。「会話に割り込み、勝手に自分の話を始める“おしゃべり泥棒”の友達に怒ってる」という投書には、マツコが「私たちの世界はみんなそういう“泥棒”」と語り、「私も反省します」とまで。
そんな展開が多く、怒りの投書はむしろ、「そんなことはどうでもいい」といなされがち。肩透かしと言えばそうだが、残念な感じはしない。覚悟を決めてジェットコースターに乗ったら、ゆったり回る観覧車だったような。それはそれで心地良い。
とはいえ、そこはマツコ&有吉。結果的に爆発しなくて、爆発するかもしれない気配はチラチラ漂う。だから、今か今かとスリルもある。この番組は爆発の予感や毒の気配を味わうのが、一番いい楽しみ方かも。
視聴率6%と深夜では抜群の数字を記録。10月にはスタートわずか半年で23:15〜の「ネオバラエティ」枠に昇格した。『アメトーーーク!!』などと同じ、テレ朝が力を入れてる時間帯だ。
そして、進行役として2人と共に出演しているのが、元日本テレビアナウンサーの夏目三久。この番組で一番得をしたのが彼女だ。
(明日へ続く)

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